日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャコ(鳥)」の意味・わかりやすい解説
シャコ(鳥)
しゃこ / 鷓鴣
francolin
広義には鳥綱キジ目キジ科シャコ属に含まれる鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。この属Francolinusには約41種があり、ほとんどがアフリカに分布し、数種がアジアとヨーロッパにすむ。生態、形態ともにコジュケイに似る。近縁のイワシャコ属Alectris7種も、ユーラシアとアフリカに分布し、形態も似るが、より乾燥地を好む。
種のシャコF. pintadeanusは、中国南部からインドシナ半島にかけて分布する。全長約32センチメートル。斑紋(はんもん)が多いのでコモンシャコ(小紋シャコ)ともいう。明るい林と乾燥した叢林(そうりん)を好んですみ、数も多い。年じゅう歯切れのよい大きな声で鳴き、中国では唐の時代から、都を思う旅人の望郷の念を誘う声として多くの詩に詠まれた。
[竹下信雄]