スーパークリチカル翼型(読み)すーぱーくりちかるよくがた(その他表記)supercritical airfoil

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーパークリチカル翼型」の意味・わかりやすい解説

スーパークリチカル翼型
すーぱーくりちかるよくがた
supercritical airfoil

NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)が中心となって開発した高速機用の低抵抗翼型。超臨界翼型ともよばれる。飛行機速度音速の80%(マッハ0.8)を超えると翼面上に衝撃波が発生するが、その影響を抑えて翼の空気抵抗の急激な増大を引き起こさないように翼の断面形を与えてある。前縁部の丸みはやや大きめで翼型の上面を比較的平坦(へいたん)にし、この部分での超音速域の発達を緩和すると同時に、下面では翼型の後縁付近の曲りを強くしてこの部分にも揚力をもたせる。現在、もっとも新しい民間機にはピーキー翼型とともに広く用いられている。高速飛行時の抵抗が少ないので、同じ速度ならば後退角を小さく、翼を厚く、縦横比を大きくでき、揚力損失が少ないので高揚力装置が簡単になり、離着陸性能および経済性を向上できる、といった特長をもっている。

[落合一夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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