化学辞典 第2版 「セレン赤ガラス」の解説
セレン赤ガラス
セレンアカガラス
selenium ruby glass
硫セレン化カドミウムCd(S,Se)の無数の微結晶が内部に分散しているために,赤く着色している代表的な赤ガラス.析出結晶はCdSとCdSeの固溶体で,CdS/CdSeのモル比が大きければ深赤色に,小さければ橙色に着色する.通常,基礎ガラス組成に,Se,CdSのほかZnOを加えて発色の安定化をはかる.必ずCdS-CdSeの析出過程が必要なので,結晶核の空間密度,結晶の大きさを制御するため,注意深い加熱処理をしなければならない.工芸,装飾用ガラスとして使われる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報