タントラ教(読み)タントラきょう(その他表記)Tantrism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タントラ教」の意味・わかりやすい解説

タントラ教
タントラきょう
Tantrism

シバ神の妃ドゥルガーまたはカーリーを崇拝するヒンドゥー教シバ派の一派。その教えによると,永遠の最高実在としてのシバはブラフマンと同一視されまったく非活動であるが,彼の神妃は活動そのものである。そこでその活動力 (性力 śakti) を重んじ,それに基づく救済を説く。この活動力は万有の根源であり,全世界はこの力が展開したものにすぎない。それぞれの活動力に応じて呪語が発せられ,それに神秘的な霊力が宿ると考えられた。特殊なヨーガの観法を行い,カーリー女神に動植物の犠牲を供し,呪法を行う。この宗教は下層民の間に多数の信者をもち,特にベンガル地方で盛んであった。仏教もタントラ教の影響を受け,パーラ朝 (750頃~1199頃) の頃からタントラ仏教が盛んになった。即身成仏の思想から現世の快楽を肯定し,人間の煩悩愛欲は抑制されるべきではなく尊重されるべきであるとした。

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