チェチェン人(読み)チェチェンじん(その他表記)Chechen

翻訳|Chechen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェチェン人」の意味・わかりやすい解説

チェチェン人
チェチェンじん
Chechen

自称ナフチョ。ロシア,北カフカスチェチェン共和国を構成する民族で,人口の約 60%に当たる約 66万人が同共和国に居住する。ロシアにおける総人口は約 90万。チェチェン語はイングーシ語とともに北カフカス諸語の東方語派に属する。言語,文化では隣接ダゲスタンの諸民族に似ている。生業農牧の複合形態をとる。社会には政治的統合や階層分化はみられなかったが,8~10世代をさかのぼる家父長的氏族が長く残存し,近年まで外婚や血讐単位として機能していた。宗教はイスラム教スンニー派が 18世紀に普及したが,伝統的な信仰も根強く保持された。

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世界大百科事典(旧版)内のチェチェン人の言及

【ソビエト連邦】より

… ザカフカス地方の主要民族は上記のアゼルバイジャン人と,古い文化をもつアルメニア人,グルジア人であるが,言語系統も文字も伝統宗教も異にしている。カフカス山中から北麓にかけては,グルジア語と同系のカフカス諸語の言語をもつカバルダ人,イングーシ人,アディゲ人,チェチェン人が居住し,山脈の南と北に分かれて,イラン系のオセット人の集団がある。面積5万km2,人口165万のダゲスタン地方は,主要民族だけで10,言語は30を数えることのできる,世界でもきわめて特異な地域である。…

【チェチェン[共和国]】より

…両者を合わせた地域名はチェチェノ・イングーシェチアChecheno‐Ingushetiyaで,その面積1万9300km2,人口127万(1989。うち,チェチェン人が57.8%,イングーシ人が12.8%)。首都グロズヌイ(人口40万1000)。…

※「チェチェン人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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