コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

血讐 けっしゅう blood feud

翻訳|blood feud

2件 の用語解説(血讐の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

血讐
けっしゅう
blood feud

窃盗,侮辱,殺人等の被害を受けた者の血族団体が加害者の血族団体に対して同程度の被害を刑罰として与える集団的復讐。祖先を同じくして,血と神と竈を等しくするという観念が社会的確信として強く支配している原始的未開社会では,個人間の争いは同時に当事者の属する団体全体の争いでもあった。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

血讐
けっしゅう

古代国家の形成過程に現れた復讐制度をいう。古ゲルマン社会において、氏族(ゲンスジッペ)の構成員が他の氏族の構成員から法益(生命、身体、財産、名誉)を侵害された場合、被害者の氏族の構成員には復讐の義務があった。氏族構成員が殺された場合、加害者の属する氏族のだれに対しても血の復讐をしなければならなかった。もともと復讐は、現行犯の場合は犯人自身に向けられたが、非現行犯、「一夜を超えて」犯行が発見されたときフェーデ(組織的復讐)が行われることになり、被害者の属する氏族の構成員は、自分の氏族の名誉を回復するため、加害者の属する氏族の構成員に対して復讐することができた。このような復讐は、氏族間の戦争状態を生み出すことになった。これは、人的消耗や外敵に対する防御力の低下をもたらしたので、やがて形式を踏んだ和解や、加害者を被害者側へ引き渡す方法が考え出されるようになった。しかし、加害者の被害者側への引渡しは、加害の程度の軽い場合でも殺害される場合があったので、思惟の合理化に伴いタリオ同害報復)が行われるようになった。さらに氏族制度が崩れて世俗的国家権力のもとで刑罰制度が整備されるようになると、財産(家畜、金銭)で罪をあがなう制度が現れ、仲裁裁判で決められる人命金Wergeldや贖罪(しょくざい)金Bueで責任を免れるようになり、加害者への血讐の制度は行われないようになった。[佐藤篤士]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の血讐の言及

【敵討】より

…このような復讐そのもののありかたは,古くから世界諸民族に共通してみられ,種族保存の本能にもとづくものとされているが,日本の場合,親の敵討が他の復讐と異なった特別の観念にささえられ,他民族にみられるような賠償制を定着させることなく近代にまで継続したところにその特殊性がある。それゆえ通常この親に代表される限定された範囲の者の殺害行為に対する子(男子)などの血の復讐(血讐)をとくに〈敵討〉と称している。 親の敵討が一貫して子の義務とされ,その行為が道理と考えられた思想上の根拠として通常あげられる〈不俱戴天〉(《礼記》)の観念は,中世においてはなお未定着であった。…

※「血讐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

血讐の関連キーワード被害者補償団体訴権カスリーン台風被害被害地法定血族台風21号豪雨震災による警察署などの被害原爆被爆者証人等の被害についての給付に関する法律

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

血讐の関連情報