化学辞典 第2版 「チオバルビツール酸反応」の解説
チオバルビツール酸反応
チオバルビツールサンハンノウ
thiobarbituric acid reaction, periodic acid-thiobarbituric acid reaction
【Ⅰ】2-チオバルビツール酸(a)が脂肪の酸化生成物であるマロンジアルデヒド(b)と反応して赤色の縮合物を生成することを利用して,脂質中の過酸化物の測定に用いられる.【Ⅱ】過ヨウ素酸-チオバルビツール酸法ともいうべきもので,シアル酸の定量法としてよく知られている.すなわち,シアル酸を過ヨウ素酸酸化するとβ-ホルミルピルビン酸(c)が生成するが,亜ヒ酸ナトリウムでヨウ素に起因する黄色の発色を消し,(a)を加えて加熱し,氷冷後,色素をシクロヘキサンで抽出し,549 nm で比色,微量定量するものである.なお,過ヨウ素酸酸化によって2-デオキシ糖はマロンジアルデヒドを生成するので,糖類の分解反応にも拡張されている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報