チョウチンミドロ(その他表記)Dichotomosiphon tuberosus (Braum) Ernst

改訂新版 世界大百科事典 「チョウチンミドロ」の意味・わかりやすい解説

チョウチンミドロ
Dichotomosiphon tuberosus (Braum) Ernst

沖縄地方の水田や溝などに生育する毛状の緑藻で,和名は体の先端に球形の生卵器をもつようすが提灯に似ることに由来する。体は多核で,太さ40~110μm,高さ10cmくらいまでになり,規則正しく叉(さ)状に分枝し,枝の基部にはくびれがある。しかし細胞を仕切る隔壁はない。体が多核管状であることから,海産緑藻のミルイワヅタなどとともにミル目(またはクダモ目)に分類する場合が多いが,卵と精子による有性生殖を行うこと,葉緑体のほかにクロロフィルを含まない白色体をもつことなどの特徴を重視して,チョウチンミドロ目Dictyosiphonalesを設立する学者もある(フェルドマンJ.Feldmann,1954)。チョウチンミドロ属は1属1種で,沖縄のほかにスイス,フランス東部,カナダのオンタリオ湖,アメリカのミシガンテキサスウィスコンシンなどの州に分布する。地質学的に見ると,これらの地域は約5億年前の古生代初期には,海岸線に近いかまたは浅い海底と推定されることから,当時チョウチンミドロは海藻であったと推測する学者もいる。
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