ディオニュシア祭(読み)ディオニュシアさい(英語表記)Dionysia

  • ディオニュシア祭 Dionysia

翻訳|Dionysia

世界大百科事典 第2版の解説

古代ギリシアの祭典祭神ディオニュソスで,古い陽気でエロティックな農民の祭りであったが,悲劇喜劇競演が催されるようになったため,文化史上重要な役割を果たした。アテナイには,この名で呼ばれる祭典が三つあった。第1に,古くからアッティカの村々で祝われていたものがあり,巨大な男根(ファロス)を掲げ持っての行列,無礼講的な儀式などが行われた。第2は,これら村々の祭りの一つ,エレウテライEleutherai村のものが僭主ペイシストラトスによりアテナイ市内へ移され,アクロポリス南東麓に神殿も建てられた。

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世界大百科事典内のディオニュシア祭の言及

【悲劇】より

…これがなぜ悲劇を意味するようになったかは必ずしもはっきりしない。古代ギリシアのディオニュシア祭においてディオニュソスをはじめとする神々をたたえる歌が歌われたが,これが対話形式をとるに及んで悲劇が生まれたとする説がある。この歌を歌う合唱隊がヤギの扮装をしていたという事実によって語源を説明しようとする学者もいる。…

【ブドウ酒(葡萄酒)】より

…酒一般がそうであるが,それがもたらす酩酊(めいてい)状態が日常の規範や禁忌から人々を解放し情熱的にするため,恍惚(こうこつ)状態におちいって神と交感する多くの祭祀でブドウ酒が尊重された。古代ギリシアでは,ブドウおよびブドウ酒の神ディオニュソス=バッコスの祭り(ディオニュシア祭)が行われ,酩酊した女たち(バッカイBakchai)が狂乱の果てに野獣をも引き裂いたという。したがってこの神とブドウ酒とは,理性を象徴するアポロンと対照的に,非理性的な英知,霊感および熱狂の象徴になった。…

※「ディオニュシア祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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