デイノテリウム(その他表記)Deinotherium

最新 地学事典 「デイノテリウム」の解説

デイノテリウム

学◆Deinotherium

長鼻目デイノテリウム科の模式属。中新世中期~更新世に,アフリカヨーロッパ中近東インドインドシナ・中国南部に生息。下向きに曲がる下顎の牙が特徴。現在のゾウに似た体つきだが,頭蓋は低く,四肢はより細長く,首も長くて可動性が大きい。鼻孔の位置は高いので,現在のゾウのような長い鼻を持っていたと考えられる。永久歯の歯式は。稜型歯で第1大臼歯は3稜性,他は2稜性。樹冠部の若葉や花・果実を食べていたとされている。

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改訂新版 世界大百科事典 「デイノテリウム」の意味・わかりやすい解説

デイノテリウム
Deinotherium

ゾウに似た大型の哺乳類で,長鼻類の絶滅属。類縁のプロデイノテリウム属Prodeinotheriumとともに長鼻目の一つの亜目(デイノテリウム亜目)がつくられ,長鼻類の主流であるマストドン亜目やゾウ亜目とはきわめて初期に別系統として分かれたものとされる。体長は3m前後,肩高約3m,頭の形はゾウと異なり短く平たい。とくに上顎きばがなく,下顎の先が下方に垂れ下がり,その先端にきば状の長い切歯が下後方に伸びているのが特徴である。

 この動物の正体は,1908年にボヘミアで全骨格が発見されるまではわからず,バク,カバ,カイギュウなどの仲間で,水生の動物と考えられていた。化石としては,東アフリカの中新世前期のものが古いが,中新世中・後期にはヨーロッパと南西アジアで繁栄した。しかし,ほかの長鼻類とちがって東アジアやアメリカ大陸には移動していない。アフリカでは更新世前期まで生き残った。その名は,ギリシア語の〈恐ろしい〉とか〈強力な〉という意のデイノスと〈獣たち〉の意のテリウムとに由来する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デイノテリウム」の意味・わかりやすい解説

デイノテリウム
Deinotherium

長鼻目デイノテリウム科に属する化石属。下顎の吻部は強く下方に曲がり,下牙も後方に曲がる。ヨーロッパ,アフリカ,インドに分布し,新第三系中新統から第四系更新統にかけて産出する。

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世界大百科事典(旧版)内のデイノテリウムの言及

【長鼻類】より

…もっとも原始的なのはアフリカの始新世~漸新世のメリテリウム科(メリテリウムMoeritherium)で切歯が上に3対,下に2対,上あごに犬歯があり,バク大で四肢と鼻が短く,骨格はカイギュウ目に近い。アフリカ,ユーラシアの中新世~更新世から知られるデイノテリウム科(デイノテリウムDeinotherium)は切歯が下あごにだけ1対あり,下後方に向かう。犬歯はない。…

【長鼻類】より

…もっとも原始的なのはアフリカの始新世~漸新世のメリテリウム科(メリテリウムMoeritherium)で切歯が上に3対,下に2対,上あごに犬歯があり,バク大で四肢と鼻が短く,骨格はカイギュウ目に近い。アフリカ,ユーラシアの中新世~更新世から知られるデイノテリウム科(デイノテリウムDeinotherium)は切歯が下あごにだけ1対あり,下後方に向かう。犬歯はない。…

※「デイノテリウム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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