翻訳|duplex
上限をルーフ衝上(しょうじょう)断層、下限をフロアー衝上断層で境され、その中で地層が瓦(かわら)を斜めに重ねたように、小規模な衝上断層によって次々と重なっている構造のこと。デュープレックスという名称は、北アメリカの2階建ての集合住宅に由来する。屋根(ルーフroof)と床(フロアーfloor)があり、部屋(地層)が二つ重なっていることから地質用語に転用された。デュープレックス内の、それぞれ断層で囲まれたブロックはホースhorseという。
デュープレックスの部分では、地層が衝上断層によって重なるために、全体として短縮し厚くなる。造山帯前縁部の衝上断層帯で厚い集積体をつくったり、海溝充填堆積物(かいこうじゅうてんたいせきぶつ)が付加するときの底付け作用で形成されることが知られている。なお、横ずれ断層に伴うものは横ずれデュープレックス、正断層に伴うものは伸張デュープレックスとよばれる。これらと区別する必要がある場合は、衝上断層に伴うデュープレックスは衝上デュープレックスとよばれることがある。
[村田明広]
duplex
覆瓦状構造の一種で,上限をルーフスラスト,下限をフロアースラストで境され,そのなかで同一層準の地層がより小規模なスラストによって瓦を斜めに重ねたように繰り返しているもの。デュープレックス形成によって,そのなかの地層は結果的に側方に短縮し,全体として厚くなる。デュープレックスは,ピギーバック型のスラストシーケンスで,スラストが上方に切り上がるランプの位置で上盤が下盤の地層を次々とはぎ取っていくときに形成される。デュープレックス内の個々のブロックはホースと呼ばれ,ホースは見かけ上の下位に重なっているものほど後に形成されている。デュープレックスは,個々のホースの長さとその変位量との関係によって,後背地傾斜デュープレックス(hinterland-dipping duplex),背斜状累重(an-tiformal stack),前縁地傾斜デュープレックス(fore-land-dipping duplex)の3種類に分けられる。単にデュープレックスという場合には,前記の衝上性のものを指すのが普通である。伸張断層に伴う伸張デュープレックスや,横ずれ断層に伴う横ずれデュープレックスも存在する。
執筆者:村田 明広

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
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