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断層 だんそうfault

翻訳|fault

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

断層
だんそう
fault

地中のある面を境に地盤の相対的なずれが存在するとき,これを断層という。長さは数 cmから数百 kmに及ぶ。断層が急に動いてたくわえられていたひずみを解放する現象を地震という。断層が連続的に緩慢に動くことをクリープという。マグニチュードが7~8の地震のとき,数百 km2から数万 km2の広がりをもった断層面上で数mのずれ運動が生じる。このようなずれ運動が長い間蓄積されると,地形学的に認識されるような,地質の大きな食違いを伴う断層になる。断層のなかで,第四紀に動いたもの,動いた形跡の認められるものを活断層という。上盤下盤の上に乗上げるようなものを逆断層 (衝上断層 ) ,上盤がずり落ちるものを正断層,ずれが主として断層の走向と平行なものを傾斜走向断層と分類される。

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知恵蔵の解説

断層

岩体が強い力によって破壊した時に、できた割れ目沿いに両側の岩盤がずれ動いたもの。これは岩石のせん断破壊で、割れ目は、ある幅を持った断層破砕帯となる。引っ張りによる正断層、圧縮による逆断層、横ずれ(水平ずれ)断層がある。断層運動は、地震を引き起こす。

(斎藤靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館館長 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

だん‐そう【断層】

地層や岩石が割れ目を生じ、それを境にして両側に食い違いを生じているもの。また、その割れ目。
意見や考え方などの大きなずれや食い違い。「世代間の断層

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百科事典マイペディアの解説

断層【だんそう】

地殻の割れ目のうち,それを境として隣りあう部分が割れ目の面に平行な方向に相対的に変位しているもの。その割れ目の面(断層面)は幾何学的な意味での面ではなくて,すりつぶされた岩粉や岩片で埋められた,ある厚さをもった板状の部分であることが多い。
→関連項目地溝地質構造線落盤

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デジタル大辞泉プラスの解説

断層

殿内芳樹の詩集。1950年刊行。1951年、第1回H氏賞受賞。

断層

高木彬光の長編推理小説。1959年刊行。大前田英策シリーズ。

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世界大百科事典 第2版の解説

だんそう【断層 fault】

地層または岩石の中の割れ目を境にし,両側が相対的に変位することを断層運動といい,断層運動が起きた割れ目を断層という。相対的な変位が認められない割れ目を破断という。また破断のうちで,規則的に発達しているものは節理と呼ばれることもある。地層や岩石が急崖をなして露出している場合に,これをしばしば断層と呼ぶことがあるが,これは断崖であって,断層と呼ぶのはあやまりである。 断層運動が起きた割れ目(面)を断層面という。

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大辞林 第三版の解説

だんそう【断層】

地殻変動の一。一続きの岩体や地層に破壊が起き、ずれを生ずる現象。また、それによってできた割れ目。 〔「明治英和字典」(1884年)に fault の訳語として載る〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

断層
だんそう
fault

岩石がある面に沿って破断し、両側のブロックblock(地塊)が面に沿って相対的に変位したもの。破断した面を断層面、断層を生ずる運動を断層運動とよぶ。一般には、顕微鏡下でのみ変位が確認できる規模のものは断層とはいわない。[伊藤谷生・村田明広]

変位の向きによる断層の分類

断層は、変位の大小にかかわらず、変位の向きによって分類される。断層面の傾斜方向に変位が生じた場合は、(1)正断層、(2)逆断層、(3)衝上(しょうじょう)断層の三つに分類される。断層面の走向方向に変位が生じた場合は横ずれ断層とよばれ、(4)右横ずれ断層と、(5)左横ずれ断層に分類される。
(1)正断層は、断層面が傾斜しているとき、断層の上側のブロック(上盤(うわばん))が下側のブロック(下盤(したばん))に対して、相対的にずり落ちる変位をもつ断層である。
(2)逆断層は、断層面が45度以上に傾斜した断層で、上側のブロックが下側のブロックに対して、相対的にずり上がる変位をもつ断層である。
(3)衝上断層は、断層面が45度以下に傾斜した断層で、逆断層と同じ向きの変位をもつ断層である。なお、断層面の傾斜が45度の場合には、逆断層、衝上断層のどちらを用いてもよい。逆断層では水平方向よりも上下方向の変位成分が大きく、衝上断層では逆に水平方向の変位成分が大きい。
(4)右横ずれ断層は、断層を挟んで向こう側のブロックが右に移動したものである。別の表現をすると、断層をまたいだとき、またいだ先のブロックが右に移動したものが右横ずれ断層である。
(5)左横ずれ断層は、断層を挟んで向こう側のブロックが左に移動したものである。横ずれ断層の断層面は、垂直であるか、または非常に急傾斜であることが多い。
 断層は、基本的には前記五つに分類されるが、実際には、断層面の傾斜、走向のいずれとも斜交した方向の変位をもつ、斜めずれ断層が多い。このような場合は、単に斜めずれ断層とよぶよりも、「逆断層成分をもつ左横ずれ断層」とか、「左横ずれ逆断層」のように表現されることが多い。なお、前者は左横ずれ運動が主で、後者は逆断層運動が主であるときの表現である。兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で地表に変位が現れた野島断層は、右横ずれ成分が2メートル、逆断層成分が1メートルであったので、逆断層成分をもつ右横ずれ断層となる。
 断層による変位はどの位置でも平行であるとは限らず、両側のブロックで反対方向に回転している場合は、蝶番(ちょうつがい)断層とよばれる。蝶番断層で、主要な変位が傾斜方向であるとき、正断層から逆断層に移り変わる場合がある。[伊藤谷生・村田明広]

断層運動による破砕と断層帯

一般に、1回の断層運動に伴って一つの断層面が形成されるとは限らず、同時に二つ以上の断層面が近接して生ずることがある。また断層運動は、しばしば繰り返しおこることが多い。こうして、多くの断層面がある幅の間に密集して形成される。これを断層帯とよぶ。
 断層帯においては、岩石の粉砕が進行し、それに伴ってさまざまな形状の破砕岩が形成される。破砕が集中する部分を断層破砕帯という。地表近くの軟らかい被覆層や、水底下の未固結の堆積(たいせき)物の中を断層が走る場合、破砕はほとんどおこらず不連続面としての断層面のみが形成される。地表近くよりもやや深い場合は、岩石は角張った礫(れき)状に破砕され、断層角礫が断層帯に形成される。破砕が進行して粒径がおよそ粘土サイズ(約4マイクロメートル以下)にまで細粒化されると、未固結の断層ガウジfault gougeが形成される。断層ガウジは、かつて断層粘土とよばれたことがあるが、現在ではよばない。さらに深くなると、破砕した角礫や細粒物質が固結し、カタクレーサイトが形成される。地下数キロメートルないし10キロメートル以深になると、断層運動によって、再結晶を伴う流動化がおこりマイロナイトが形成される。また、急激な断層運動による摩擦熱で岩石が溶融し、シュードタキライトの脈が形成されることも知られている。断層帯においては、さまざまな深さで形成された破砕が重複していることが多い。
 断層面上には、断層運動に伴う「ひっかき傷」が細い筋(すじ)として刻印されていることがある。これを条線とよび、断層変位の向きを知る有力な情報となる。また断層面が光沢をもつほど滑らかな場合は鏡肌(かがみはだ)という。[伊藤谷生・村田明広]

断層による地表の変形

地震は断層運動の一つである。直下型地震のマグニチュードが6.5程度以上になると、断層は地表に到達し地表を変形させる。垂直変位が存在する場合は、それに相当する高度差が生じ、断層崖(だんそうがい)を形成する。繰り返し断層運動がおこると、断層崖はしだいに成長し、やがて大きな断層崖を形成する。横ずれ変位が大きい場合は、断層に沿って凹地や小隆起がつくられたり、山稜(さんりょう)・河川などの屈曲がおこる。しかしこれらの地形が純粋な形で形成されるのは、侵食作用や堆積作用が断層運動に対して相対的に弱い場合であって、日本のように侵食・堆積作用とも激しい所では、断層運動に伴う地表の変形はもっと複雑である。[伊藤谷生・村田明広]

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世界大百科事典内の断層の言及

【地震災害】より

… 地震そのものが地球表面の振動を伴う現象であるから,それに関連する次のような被害が一次的に発生する(ただし,上記の理由で,必ずしも災害であるとは限らない)。(1)断層 地震の原因であるとも考えられている。日本の例では,濃尾地震(1891)における根尾谷断層が特に有名で,垂直方向のずれは6mにも達した。…

【節理】より

…岩石の割れ目や破断面で,それに沿うずれ(変位)がないか,あるいはほとんど認められないもの。面に平行なずれのあるものを断層という。花コウ岩や厚い塊状砂岩などのような均質な岩石の場合には,ずれを認定する手がかりがないので,鏡肌や断層粘土あるいは断層角礫など断層に伴う諸特徴が認められない限り,両者を区別するのはむつかしい。…

※「断層」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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