トカラハブ(読み)とからはぶ(その他表記)Tokara habu

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トカラハブ」の意味・わかりやすい解説

トカラハブ
とからはぶ
Tokara habu
[学] Trimeresurus tokarensis

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目クサリヘビ科のヘビ。同科マムシ亜科ハブ属に含まれ、吐噶喇(とから)列島の小宝島と宝島にのみ分布する固有種である。全長約1メートル。体色は一般に明るい褐色で、背中には小さな楕円(だえん)形の斑紋(はんもん)が左右交互に並んでいる。畑、人家、湿地付近におり、おもに夜活動する。有毒種であるが、性質が温和で、かまれても死ぬことがないため、住民には恐れられていない。

[新城安哲]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のトカラハブの言及

【ハブ】より

…近年では抗血清をはじめ治療法の進歩により,かつては12%に達した致命率は1%以下に減少したものの,なお毎年500~700人ほどの咬症患者(死亡は5人前後)が出ており,ハブによる有形無形の被害はきわめて大きい。南西諸島には本種以外に,宝島,小宝島にトカラハブT.tokarensis,八重山列島にサキシマハブT.elegans,そして奄美・沖縄諸島には太短いヒメハブT.okinavensisが分布するが,標高の低い隆起サンゴ礁の島には生息しない。【松井 孝爾】。…

※「トカラハブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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