詩・詩論雑誌。1952年(昭和27)3月創刊,55年3月終刊。全12冊。《造形文学》と《芸術前衛》という二つの雑誌の有志が集まり,関根弘,木島始,野間宏らを編集委員として発足した。対日講和条約,日米安全保障条約の締結という状況に対応して,社会主義思想と前衛的な詩法との融合をはかると同時に,全国の職場,地域,学校などのサークル詩運動との連帯を推し進めたところに特色がある。戦前のプロレタリア詩やシュルレアリスムを検討する一方,風刺詩,国民詩,サークル詩などについて問題を提起した。関根弘の詩〈絵の宿題〉,詩論〈現代詩とはなにか〉,木島始の詩〈一九四五年の夏〉などとともに,サークル詩人の作品が数多く掲載されている。
執筆者:吉田 煕生
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
… 島の集団を総称して〈島群〉という。島群の中には諸島,群島,列島などがある。一般に分布面積の大きい群島を〈諸島〉,小さい島群を〈群島〉といい,島の配置が列状をなす島群を〈列島〉という。…
…この主張は,その実作の高い訴えの響きによって人々の心をとらえ,詩界に《荒地》ブームを出現させた。ほぼ同時期にそれに対抗する勢いを示したのが関根弘らの《列島》派で,左翼抵抗詩の流れの中から出てきた詩人は,政治性と芸術性を結びつけた前衛的な姿勢を堅持し,種々の実験的な新詩法を開拓して新たな領域を切り開いた。この《列島》《荒地》に続くのが,谷川俊太郎,川崎洋,大岡信,吉野弘らの抒情派グループで,とくに谷川,川崎の,ナイーブな青春の感覚を全開にしたみずみずしい肉声の歌が,若い世代の共感を呼んだ。…
※「列島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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