トマス鋼(読み)トマスこう(英語表記)Thomas steel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トマス鋼」の意味・わかりやすい解説

トマス鋼
トマスこう
Thomas steel

塩基性鋼の一種。トマス転炉 (塩基性転炉) でつくられた鋼。機械的切削性がよく,特に軟鋼として良好な鍛接性,熱間変形性などの長所をもつ。炉の裏付けや炉壁に塩基性の材料 (マグネサイト,ドロマイトなど) を用い,製鋼原料に石炭を混入して製鋼する。酸性製鋼法の一種であるベッセマー法は低リンの銑鉄を利用し,操作も煩雑で,またリン,硫黄の除去が不十分であるなどの難点があった。塩基性製鋼法 (塩基性ベッセマー法またはトマス法) はこれを改良したもので,高リン銑鉄から良好な軟鉄を製造することができる。 (→転炉鋼 )  

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android