トランセプト(その他表記)transept

翻訳|transept

改訂新版 世界大百科事典 「トランセプト」の意味・わかりやすい解説

トランセプト
transept

キリスト教聖堂の主たる身廊に直交して,内陣の前に造られる南北方向の副次的な身廊。交差廊横断廊ともいう。交差部(主たる身廊と交差する部分)とその両側袖廊で構成されるが,袖廊だけをトランセプトとよぶこともある。天井の高さは主たる身廊に準ずるが,長さは一般にそれより短い。トランセプトが側廊外壁から突出するとき,聖堂は十字形平面となるが,突出しなくてもその天井が側廊より高ければ,主たる身廊とともに十字形の空間を造りあげる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トランセプト」の意味・わかりやすい解説

トランセプト

翼廊」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトランセプトの言及

【教会堂建築】より

…太陽をキリストの象徴としたところから,5世紀以降の教会堂はアプス(後陣)を身廊の東端に配置し,教会堂の方位を統一した。また施物や祭具を収納し,聖餐を準備する室をアプスに近い位置に造り,トリビューン(階上廊)やトランセプト(交差廊)を設けたが,これらの改良は主としてビザンティン帝国で行われた。
[集中式プランの教会堂]
 集中式プランは古来,とくに墓廟に用いられたが,キリスト教会もこれを踏襲して墓廟,記念堂を造り,洗礼堂にもさかんに利用し,少数だが集中式の教会堂も造った。…

※「トランセプト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android