ト・ダ・にがな・つばな・ちゃ(漢字)

普及版 字通 の解説


11画

[字音] ト・ダ
[字訓] にがな・つばな・ちゃ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は余(よ)。余に(途)(と)の声がある。〔説文〕一下に「なり」とあり、〔書、湯誥〕に「毒を爲す」、〔詩、大雅、桑柔〕に「(なん)ぞ毒を爲す」のように、苦毒の意に用いる。のち茶の意に用いるが、そのもとの字はの字であろう。漢の王褒の〔約〕に「武」のことがみえており、また〔三国志、呉、曜伝〕に茶を飲む話がある。茶はまた(めい)といい、〔爾雅、釈木〕「(か)、なり」の〔郭璞注〕に「を生ず。て羹飮(かういん)と爲すべし。今早くりしを呼んでと爲し、に取ると爲す」とみえる。

[訓義]
1. にがな、けしあざみ。
2. つばな。
3. 茶。
4. くるしい、いたむ、毒。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 於保土知(おほどち) 〔和名抄 於保知(おほつち) 〔名義抄 オホトチ・ネムコロ 〔字鏡集〕 カラシ・ニガナ・オホトチ・ネムコロ

[語系]
da(茶)deaは声が近い。は苦菜。また茅秀(茅の穂)をいう。はまた(か)、苦といい、字はのちに作る。〔詩、風、谷風〕「誰(たれ)か(と)を(にが)しと謂ふ」とあるのは苦菜。〔詩、風、出其東門〕「女り、の如し」は茅秀、女が茅の穂のように多いことにたとえる。このうち飲用に供するものはである。

[熟語]

[下接語]
・菫・苦・神・茅

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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