トタン(その他表記)galvanized steel sheet

デジタル大辞泉 「トタン」の意味・読み・例文・類語

トタン

《〈ポルトガル〉tutanaga(亜鉛の意)からか》「トタン板」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「トタン」の意味・読み・例文・類語

トタン

  1. 〘 名詞 〙 ( 語源未詳 )
  2. 亜鉛のこと。〔倭語類解(17C後‐18C初)〕
  3. トタンいた(板)
  4. 米相場の異称
    1. [初出の実例]「土場太夫とたんに負けた男なり」(出典:雑俳・柳多留拾遺(1801)巻一〇)

トタンの補助注記

( 1 )については、ふつうはポルトガル語の tutanaga (銅・亜鉛・ニッケルの合金)に由来するとされるが、「日葡辞書」には「Tǒtan(タウタン)〈訳〉白い金属の一種」とあって、この方が古い形だとすると右のポルトガル語とは相当遠くなる。他の別の言語に基づくものか。
( 2 )については、「途端拍子」に上下する意とする説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「トタン」の意味・わかりやすい解説

トタン
galvanized steel sheet

亜鉛めっきを施した鋼板薄板をいう。古くは亜鉛引き鉄板ともいわれたが,現在では亜鉛めっき鋼板が普通の名称である。亜鉛めっきを英語ではガルバナイジングgalvanizingという。鋼板への亜鉛めっきの製造法には溶融亜鉛めっき法,電気亜鉛めっき法の2法がある。鋼板以外の形材などでは,これらのほかに拡散被覆法(亜鉛の場合はシェラダイジングsheradizingという),溶射法なども併用される。複合防食皮膜の一環として薄い亜鉛めっきを施すには連続電気めっき法が用いられる。近年はより薄くて耐食性の優れた亜鉛-ニッケルZn-Ni,亜鉛-鉄Zn-Fe,亜鉛-コバルトZn-Coなどの合金めっきが5μm以下の厚みで施されたものが商品化されている。亜鉛が凝固するときスパングル華紋)といわれる結晶模様が生成されるが,これを大きくし,また光沢を与えるために,スズあるいはアンチモンを少量亜鉛浴に添加することがある。

 〈トタン〉の語源としては,ポルトガル語で亜鉛と銅の合金を意味するtutanaga,あるいは〈白い金属の一種〉を意味するtǒtanに由来するとの説がある。中国でも亜鉛に対して土丹という言葉が使われたことがある。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「トタン」の読み・字形・画数・意味

炭】とたん

泥や炭にまみれるような苦しみ。晋・孫楚〔石仲容()の為に孫皓に与ふる書〕桓・靈(漢末の王)を失ひ、災(さいきん)竝び興る。豺狼(さいらう)は爪の毒を抗(あ)げ、生人の艱(かん)に陷る。

字通」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

百科事典マイペディア 「トタン」の意味・わかりやすい解説

トタン

亜鉛めっき鋼板。薄鋼板(厚さ0.198〜2.38mm)に亜鉛をめっきしたもの。トタンの語源としては,ポルトガル語のtutanaga(亜鉛と銅の合金を意味する)に由来するとの説などがある。耐食性がよく,屋根板その他建築に多用平板,波付板の別があり,後者生子板(なまこいた)とも呼ばれる。
→関連項目表面処理鋼板ブリキめっき(鍍金)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

リフォーム用語集 「トタン」の解説

トタン

亜鉛めっき鋼板のうち、主に建築資材として使われているものを指す。平板と波板があり、日本では波板が木造住宅の外壁として普及した。

出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トタン」の意味・わかりやすい解説

トタン

亜鉛鉄板」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のトタンの言及

【亜鉛】より

…【柳田 充弘】
[用途]
 上述のように亜鉛はイオン化傾向が大きく,したがって他のイオン化傾向の小さい金属と接触させて水中に置くと,自分が溶け出して,他金属の腐食を防ぐ。このような性質を利用して,どぶ漬亜鉛めっき,トタン,その他防食用に利用される。トタンは,鉄板に薄く亜鉛めっきしたもので,建築用材料その他に広く使用されている。…

※「トタン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android