ドナウ氷期(読み)ドナウひょうき

百科事典マイペディア 「ドナウ氷期」の意味・わかりやすい解説

ドナウ氷期【ドナウひょうき】

ギュンツ氷期に先立つ更新世最初の氷期。最初B.エーベルがアルプス北部で研究し,1930年設定したが,ギュンツ氷期の亜氷期とする意見も多かった。氷床の広がりは氷河時代中最小と思われるので,氷期といわずにドナウ寒冷期ともいわれた。その中でも2〜3回の寒暖の繰返しがあった。この時期には世界各地で,第三紀の温暖な気候に適した生物に代わって,北方型あるいは寒冷型の生物群が出現し,最古原人ホモ・エレクトス)も本期に生活していた。同時期の氷期を北欧ではエブロン氷期という。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android