最新 地学事典 「ドナウ氷期」の解説
ドナウひょうき
ドナウ氷期
Donau glacial Stage
アルプス地域で,ビーバー氷期に次いで古い氷期。ダニューブ氷期とも。ギュンツ氷期以前の氷期としてB.Eberl(1930)が設定。アルプス北部ドナウ川上流のイラー,ウェルタハ,レヒ川地域の融氷堆積物が根拠。これは,A.Penckがかつて古い被覆岩屑層(Deckenschotter)とした大部分のものに相当。南ドイツでは,ギュンツ融氷流水堆積物の下にある氷堆石をドナウ氷期のものとした。H.Graul(1962)は,イラー川流域で著しい風化土壌を伴う段丘堆積物をドナウ氷期の産物と認定し,さらにオーストリアでも,ギュンツ・ミンデルの段丘区分を基本的には有効としたうえで,それらのなかで比高の大きい堆積物はドナウ氷期に,さらに高所の堆積物はビーバー氷期に相当するとした。ドナウ氷期の存在は,アルプス周辺の堆積物の花粉化石によっても容認され,オランダ,ドイツ北部のエブロン寒冷期に対比。最大進出氷堆石はリス氷期と同規模。
執筆者:小林 国夫・酒井 潤一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

