ドリル(動物)(読み)どりる(英語表記)drill

翻訳|drill

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドリル(動物)」の意味・わかりやすい解説

ドリル(動物)
どりる
drill
[学] Papio leucophaeus

哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。ヒヒ属のなかではまれな森林性の種で、カメルーンガボンコンゴの熱帯多雨林に分布する。体毛は暗褐色で、顔の周囲の毛は白い。雄の無毛の顔はつやのある鉄色で、臀部(でんぶ)の性皮と下顎(かがく)は鮮やかな紅色を呈す。体長は雄で70センチメートル。性差が大きく、雌は小形である。尾は短く12センチメートル。地上性の傾向が強く、林床で過ごす時間が長いが、休眠樹上で行う。食性は雑食性で、小動物も好む。群れは10~50頭の複雄群といわれるが、その社会構造などは明らかにされていない。マンドリルP. sphinxとは近縁で、両種をヒヒ属から独立させ、マンドリル属Mandrillusとする考え方もある。

[川中健二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例