ド・ブロイの関係式(読み)どぶろいのかんけいしき

世界大百科事典(旧版)内のド・ブロイの関係式の言及

【最小作用の原理】より

…しかし,ここで注意すべきことは,媒質中の光の速さV(p)は真空中の光速cによりV(r)=c/N(r)で表されるので,両原理の対応関係はよりくわしく,ということになる。すなわち前者では速度因子が分母に現れる点が異なっているが,ド・ブロイは光線を描く粒子,すなわち光子に対して,運動量を,エネルギーEhν(hはプランク定数,νは振動数)からhν/V(r)で定義するならば,光子に対するフェルマーの原理がモーペルテュイの原理とまったく一致することに気づいて,ド・ブロイの関係式の名で呼ばれるEhν,phν/cに基づく波動力学の考えに到達した。すなわち,幾何光学は波動論に従う光波の波長0の極限とみられることから,古典力学に従う質点に対しても同様な位置を占める波動理論が成立すると考えるわけで,すべての物質構成粒子に対し波,すなわち物質波が伴うと予想した。…

【物質波】より

…光は電磁場の波動であるが,光子として粒子の性質ももっている。電子ははじめ質点と考えられたが,実際は電子も粒子性をもつ波動であることが明らかになった。同様に陽子,中性子なども質点ではなく,波である。このような電子の波,広い意味では陽子などの粒子の波のことを物質波またはド・ブロイ波de Broglie waveという。 1924年ド・ブロイは物質波の説を唱え,粒子としての電子の運動量をpとするとき,その波動の波長λはλ=h/pで与えられることを示した(これをド・ブロイの関係ということがある)。…

※「ド・ブロイの関係式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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