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ドーセット文化 ドーセットぶんかDorset culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ドーセット文化
ドーセットぶんか
Dorset culture

約前 800~後 1300年の間に,グリーンランドおよびニューファンドランドを南限とするカナダの東部北極圏に存在した先史文化。名称は発掘地のドーセット岬に由来する。文化の起源についてはいくつかの仮説がある。 (1) アラスカまたは西部北極圏内の他の場所を起源とするというもの,(2) はるか南方のパレオインディアンもしくは森林インディアン文化の一部から派生したか,あるいはそれから強い影響を受けたとするもの,(3) 基本的にはエスキモー文化で,カナダの東部北極圏を原位置として前ドーセット文化と呼ばれるものから発達し,インディアンの影響はほとんどないとするものなどがある。骨格遺物はエスキモー型のようである。生活は主としてアザラシ,セイウチなどの海産哺乳動物に依存し,犬や犬ぞりは知られていなかったので小型の手押しぞりが用いられた。集落は海岸に位置し,半地下式家屋と数戸の広い集会所から成っていた。夏季にはおそらく皮製のテントが使用されたと思われる。証拠から推論すれば,ドーセット文化の人々は少数の集団で移動する季節的遊牧民であった。この文化がどの程度有史以後のカナダやグリーンランドの文化に影響したか疑問である。

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