ナスルッラー(読み)なするっらー(英語表記)Abū al-Ma‘ālī Narullāh

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナスルッラー」の意味・わかりやすい解説

ナスルッラー
なするっらー
Abū al-Ma‘ālī Narullāh

生没年不詳。ペルシア文人。12世紀の人。シーラーズ出身といわれ、ガズニー朝スルタン、バフラーム・シャーに仕えた。インド寓話(ぐうわ)を起源とする『カリーラとディムナ』のアラビア語訳を1144年ごろ華麗な文体ペルシア語散文に翻訳しスルタンに捧(ささ)げた。ペルシア散文史上最初の技巧的文体の作品として知られ、後世の作者に大きな影響を与えた。詩も多く挿入されている。

[黒柳恒男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナスルッラー」の意味・わかりやすい解説

ナスルッラー
Naṣr Allāh, Abū al-Ma`ālī

ペルシアの文人。ガズニー朝バフラーム・シャーに仕え,王の命により 1144年頃寓話『カリーラとディムナ』をアラビア語からペルシア語に訳した。華麗な文体で知られるこの作品はペルシア散文史上に高い位置を占めている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android