改訂新版 世界大百科事典 「ニトロナフタレン」の意味・わかりやすい解説 ニトロナフタレンnitronaphthalene 芳香族ニトロ化合物の一つ。ニトロ基の位置により,1-(またはα-)および2-(またはβ-)ニトロナフタレンの2種の異性体がある。ナフタレンを混酸(濃硫酸と濃硝酸の混合物)によってニトロ化すると,1-体と2-体とが9対1の比で生ずる。1-体は黄色の針状結晶で,融点61℃,沸点304℃。還元されると1-ナフチルアミンになるので,染料の原料として重要である。2-体は無色の板状結晶で,融点79℃,沸点312.5℃(734.4mmHg)。執筆者:小川 桂一郎 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by