ノーフォーク農法(読み)ノーフォークのうほう(その他表記)Norfolk

翻訳|Norfolk

旺文社世界史事典 三訂版 「ノーフォーク農法」の解説

ノーフォーク農法
ノーフォークのうほう
Norfolk

連作障害を防ぐことを目的として,ある特定の作物の組み合わせを循環して栽培する輪作農法
ヨーロッパの農地では地力の低下に対応するため,休閑を取り入れるなどの方法が行われていた。その後,休閑に代わって地力維持のために,飼料かぶ(かぶら)などの作物が利用されるようになってきた。その代表的な方法がノーフォーク農法である。18世紀にイングランド東部のノーフォーク地方で始まった農法で,大麦・クローバー・小麦・かぶ(かぶら)の順に輪作を行うため,四輪作法ともいわれる。休耕をなくし,牧草栽培による家畜舎飼を可能にしたことによって,農業生産を飛躍的に向上させた。しかしこの農法は,土地の集約的利用が前提となっているため,囲い込みをさらに拡大させることとなり,これによって農業革命が進展することとなった。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のノーフォーク農法の言及

【フランドル農法】より

…このように,フランドル農法では巨額の投資を必要とするため,借地人に対して,その投資を補償する〈作離れ料pachtersrecht〉の慣行も18世紀に確立していた。フランドル農法は,17世紀以降イギリスにも伝わり,その事情に合わせた新しい農法(たとえばノーフォーク農法)として普及し,また19世紀ドイツ農業にもさまざまの形でとり入れられた。【石坂 昭雄】。…

【輪栽式農法】より

…近世ヨーロッパで完成された農法で,穀物を中心とする輪作体系のなかに飼料作物の栽培を組み込み,地力の維持増進と耕地の高度利用をはかる方式をいう。古来ヨーロッパの畑作農業では,作物栽培に伴う地力の減退を防止する目的で,各種の農法が考案されてきた。古く南ヨーロッパの農村共同体では,耕地を2分し,一方に穀物栽培を行い,他方は休閑地として地力の回復と土壌水の確保をはかり,年次を追って両者を交代させていく二圃(にほ)式農法が一般であった。…

※「ノーフォーク農法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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