連作障害(読み)れんさくしょうがい

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

連作障害

同じ土地で同じ作物を繰り返しつくり続けることで起きる生育不良。土壌の養分バランスが崩れたり特定の病害虫が定着したりして起きる。これを防ぐため、例えば農地三つに分け、場所を変えながらコメや麦、大豆といった異なる作物を植えていく「ブロック・ローテーション」が望ましいとされている。

(2007-12-08 朝日新聞 朝刊 茨城 1地方)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

連作障害
れんさくしょうがい

畑地で同一作物またはナス科作物のように分類学上近縁な作物を連続して作付けすると、作物の生育が悪くなり、収量が減少することを連作障害という。古くは一般に忌地(いやち)といわれたが、最近ではもっぱら連作障害とよばれている。連作障害は野菜類で顕著で、生産の大きな隘路(あいろ)になっている。農林水産省野菜試験場の全国調査(1984)では、46種類の野菜について連作障害が認められ、その件数は880件に達し、その後も発生傾向に変化はみられない。その原因は病気によるものが多く、全体の72%を占めている。このほか土壌線虫その他害虫によるもの8%、カルシウム、ホウ素、マグネシウムなどの微量要素欠乏、塩類濃度障害、湿害、土壌物理性の悪化などによる生理障害が原因となっている場合が6%、原因不明なもの(病気らしいが確認できなかったものを含む)14%であった。病気は、フザリウム、リゾクトニア、バーティシリウムなど糸状菌の寄生によるほか、細菌、ウイルスの寄生が原因になっている場合もある。いずれも病原は土壌中に生存しており、一般に土壌病害とよばれている。連作障害の対策は、連作を避けることが基本となるが、原因が土壌病害の場合には土壌消毒を行うほか、生態的な防除法を組み合わせて被害を回避する。なお、水田につくる水稲は連作してもまったく連作障害はおこらない。[梶原敏宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の連作障害の言及

【忌地】より

…連作障害ともいわれ,耕地に年々同一あるいは近縁の作物を連作した場合,作物の生育が不良となり,収量が低下する現象をいう。トマト,ナス,ゴボウ,スイカ,キュウリなど多くの野菜類や豆類,あるいはモモ,イチジク,リンゴなど果樹類に広く認められる現象である。…

【連作】より

…作物の種類や土壌,気象,管理の方法などによってその現れ方や程度は異なるが,重要な作物でこのような障害が現れるものが多く,農林水産省の調査によると,陸稲,ビールムギ,ダイズ,トマト,キュウリ,ナス,ダイコン,ニンジン,ハクサイなど65種にのぼる。この現象は古くから知られていたが,原因不明のまま忌地(いやち)または連作障害と呼ばれてきた。しかし,近代農学の進歩に伴ってしだいに原因の解明が進み,微量要素の欠乏,病気やセンチュウの害,あるいは特異的な有害物質の蓄積によるなど,原因が判明したものも多い。…

※「連作障害」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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