ハンチ合成(読み)ハンチゴウセイ

化学辞典 第2版 「ハンチ合成」の解説

ハンチ合成
ハンチゴウセイ
Hantzsch synthesis

ドイツの化学者A.R. Hantzsch(ハンチ)によって発見された,ピリジンピロールチアゾールの誘導体の合成法.【】ピリジン合成:1モル量のアルデヒド,1モル量のアンモニア,および2モル量のβ-ケトカルボン酸エステルを温めて反応させると,1,4-ジヒドロピリジン-3,5-ジカルボン酸エステルの2,6-または,2,4,6-置換体ができる.この生成物のエタノール溶液に三酸化二窒素を通じて脱水素し,さらに加水分解,脱炭酸するとピリジンの2,6-または2,4,6-置換体が得られる.β-ケトカルボン酸エステルのかわりにシアノ酢酸エステル,マロン酸エステル,β-ジケトンなどを用いても同様に縮合し,ピリジン置換体を得ることができる.一般に収率は良好である.】ピロール合成:α-クロロカルボニル化合物,β-ケトカルボン酸エステル,およびアミンの縮合によりピロールの置換体を合成する反応.

】チアゾール合成:α-ハロカルボニル化合物とチオアミド,またはチオ尿素の縮合によりチアゾールの置換体を合成する反応.

R3 がNH2であるチオ尿素がよく用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む