バイニンガー(読み)ばいにんがー(英語表記)Otto Weininger

日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイニンガー」の意味・わかりやすい解説

バイニンガー
ばいにんがー
Otto Weininger
(1880―1903)

オーストリア思想家ウィーン生まれのユダヤ人。1902年にウィーン大学卒業、翌1903年卒論を発展させた『性と性格』を発表したあとイタリア旅行に出発、帰国後まもなくピストル自殺をした。『性と性格』は、プラトンカントキリスト教を思想的背景とした哲学的心理学見地から主として女性問題を論じたものであり、「たとえ最下位にある男性といえども最上位にある女性よりは無限に上で」あるとか、人間教育の仕事は女性には任せられないといった女性否定の表現が至る所にみられるが、彼自身は、心ある人には肯定の響きが聞き取れるはずだと主張している。

[宇津木保 2015年3月19日]

『竹内章訳『性と性格』(1980・村松書館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android