世界大百科事典 第2版「バル・サウマー」の解説
バル・サウマー【Bar Ṣaumā】
ネストリウス派教会の指導者。ギリシア名バルスマスBarsoumas。同派のペルシア領への拡大に尽力した。エデッサ主教イバスIbas(在位435‐457)の弟子。エフェソスの盗賊教会会議(449)で追放され,ペルシア領に亡命。ニシビス(現,トルコ領ヌサイビン)の府主教となり,ネストリウス派の神学校を開設した。ペルシア王ペーローズの厚遇を得て,単性論派の弾圧を行わせた。なお,ニシビスの神学校は,閉鎖されたエデッサ神学校の教師をも受けいれ,のちにギリシアの学問をアラブ人に伝える窓口となった。
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