ボルポーネ(読み)ぼるぽーね(英語表記)Volpone, or the Fox

デジタル大辞泉 「ボルポーネ」の意味・読み・例文・類語

ボルポーネ(Volpone)

ジョンソン戯曲。1606年、ロンドングローブ座初演イタリアベネチア舞台に強欲な老人の姿を風刺的に描く。邦題は「ボルポーニ」ともする。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボルポーネ」の意味・わかりやすい解説

ボルポーネ
ぼるぽーね
Volpone, or the Fox

イギリスの劇作家B・ジョンソンの喜劇。1606年初演。副題にあるように「きつね」を意味するボルポーネというベネチアの貴族が、いまにも死にそうだといううわさをばらまき、遺産目当てに集まってくる欲の皮の突っ張った連中(「はげたか」「とんび」など)から、逆に金品を巻き上げ、さらにはその一人「からす」の美しい若妻まで提供させようとする。このようなきわどい綱渡りを彼は召使い「はえ」の助けでやっているが、そのうちこの腹心に裏切られて、財産をさらわれそうになり、裁判官にいっさいを白状して、終身の刑に処せられる。人間の欲を苛烈(かれつ)に暴いた代表作の一つ。

[柴田稔彦]

『三神勲訳『世界文学大系14 ヴォルポーネ』(1974・筑摩書房)』

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