バーク(Kenneth Burke)(読み)ばーく(英語表記)Kenneth Burke

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

バーク(Kenneth Burke)
ばーく
Kenneth Burke
(1897―1993)

アメリカの批評家、思想家。ペンシルベニア州出身。シカゴ大学、カリフォルニア大学、ハーバード大学などで教鞭(きょうべん)をとり、プリンストン大学高等研究所研究員も務める。ことばの象徴性が人間の思考、行動様式を決定するという立場から人間のあらゆる精神現象の分析を試み、そこから、文学はことばの象徴活動を用いて作者の問題を「取り囲むencompass」戦略活動であると規定した。また、「行為」「行為者」「場面」「意図」「媒体」を五基語the pentadとよび、人間はいずれかの基語のなかに事象の究極原因を認める習性があり、また一つの基語で他の基語を代行させる営みが思想形成であると考えた。主著は『反対陳述』(1931)、『恒久と変化』(1935)、『歴史への諸姿勢』(1937)、『文学形式の哲学』(1941)、『動機文法』(1945)、『動機の修辞学』(1950)など。

[森 常治 2015年10月20日]

『森常治訳『動機の文法』(1982・晶文社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例