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文法 ぶんぽう grammar

翻訳|grammar

6件 の用語解説(文法の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文法
ぶんぽう
grammar

個人の頭のなかに内在している文法 (言語) 事実そのもの (→ラング ) をさす。またそれを記述しようとした文法論,文法学説,文典をさすのにも用いられる。古くは古典語を正しく読み書きするための技術として発達した。

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デジタル大辞泉の解説

ぶん‐ぽう〔‐パフ〕【文法】

文章を構成するきまりや規範。また、文章を書く上でのきまりや書き方。
言語を構成する諸要素の間にみられる法則性。また、それを分析・記述する研究。ふつう、単語・文節・文などの言語単位について説かれるが、さらに語構成・文連接・文章構成などの問題についても扱われることがある。

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百科事典マイペディアの解説

文法【ぶんぽう】

語および語結合における体系的現象そのもの,またはこの現象の記述的・説明的研究をさす。狭義には,語形とその結合を中心とする形態論シンタクスをさし,音韻論意味論などは含めない。
→関連項目比較言語学

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんぽう【文法 grammar】


【概説】

[文法とは]
 一般に文法と呼ばれているものは,当該の言語における,(1)単語が連結して文をなす場合のきまり(仕組み)や,(2)語形変化・語構成[派生語や複合語のでき方]などのきまり(仕組み),あるいはまた(3)機能語[助動詞・助詞・前置詞・接辞・代名詞等]の用い方のきまり(仕組み),とほぼいえるであろう。 たとえば,(A)〈ねこがねずみを食べた。〉は日本語のまっとうな文であり,これを〈ねずみをねこが食べた。

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大辞林 第三版の解説

ぶんぽう【文法】

言語を文・語などの単位に分けて考えたとき、そこに見られる規則的な事実。文法的事実。
の事実を体系化した理論。文法論。
文章の作法。文章を作る上でのきまり。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文法
ぶんぽう
grammar

言語の音声と意味を結び付ける体系をさすが、学者の意図や方法論などにより、いくつかの意味に使い分けられている。一つの言語の正しい使い方という規範的目的をもって書かれた文法、つまり規範文法に対し、言語学者が通常用いる意味は、規範文法のような価値判断の伴わない、客観的または科学的な見地からの記述、つまり記述文法をさす。記述文法という用語はまた、一時点での言語の状態を対象とした、いわゆる共時的な記述をさすが、この用法では、言語の歴史的発展を対象とした通時的記述である歴史文法と対比される。方法論的な観点からの用法としては、歴史言語学における言語間の比較という点を取り入れた比較文法という名称や、近年のチョムスキーの提唱による文法理論をさす変形文法生成文法)というものがある。また、文法学者により体系化された文法理論の場合には、とくに日本では、文法学者の姓を冠したもの、たとえば「山田文法」(山田孝雄(よしお))、「時枝(ときえだ)文法」(時枝誠記(もとき))というような使われ方もする。
 音声と意味を結び付ける体系としての文法は、通常いくつかの部門に区分されて研究されるが、これらは下図のような構成で関連づけられている。

 これらの部門は、文法研究の下位分野として成立しており、次の諸分野がそれぞれの部門と関係している。まず、言語の中心的な単位の一つは単語であるが、語の形成について研究する分野は語彙(ごい)論とよばれ、文法の辞書である語彙部門を対象としている。文を構成する場合には、辞書に収められている単語を選び出して組み合わせるわけであるが、どのような言語においても、いかなる組合せも可能であるわけでなく、一定の法則に従って組み立てられている。文の組立てに関する法則性を研究する分野が統語論である。文の意味は、それに使われる単語によって決定されるように考えられがちであるが、けっしてそうではなく、文としての形式が整って初めて文の意味は決定されるのである。このことは「太郎が犬を追いかけた」と「犬が太郎を追いかけた」を比較すれば明らかであるが、このように単語が一定の統語的法則に従って文の形に整えられたものに対して、その文の意味が決定される。意味論は、このような文の意味を研究対象とするばかりでなく、個々の単語の意味も研究範囲としている。したがって、意味論は、意味部門と語彙部門の両方にまたがる分野であるといえる。最後に、文の意味と対比して、文がいかに発音されるかということ、つまり音韻部門の研究を対象とした音韻論がある。音声に関する研究には、この音韻論のほかに音声学がある。音声学が、言語音の生理的および物理的側面を研究するのに対し、音韻論は、個々の音がどのような体系をなして語形成に参加しているか、そして個々の単語が文をなして連結されたときに、どのように発音されるかという点を研究対象としている。
 以上の各分野の研究が、個々の言語に対して適用されるのが通常の文法研究であるが、個々の言語を超越したレベルでの研究も進められていて、人類言語全体を通した、統語的特徴、音韻的特徴といったものの追求が近年とくに盛んになっている。このような人類言語の全体的な記述を目ざした文法を普遍文法とよび、個別文法と区別している。[柴谷方良]

日本語の文法

単語は次のように分類できる。(1)事物の名称を表す――名詞、(2)事物の作用・存在・状態を表す――動詞・形容詞・形容動詞、(3)前記2類の語にさまざまな意味を添える――副詞(接続詞・感動詞・連体詞も含めて)、(4)つねに他の語に伴って使い、さまざまな意味を添える――助動詞・助詞。
 前記の品詞のうち、活用のある語は動詞、形容詞、形容動詞、助動詞の4語である。活用は、動詞型、形容詞型、形容動詞型、特殊型(助動詞の場合。無変化活用も含む)の4種がある。活用は、現代語では、語の断(そこで文が切れる)・続(あとに他の語が続く)に際して生じる、体系的な語形変化であって、動詞型の命令形を除いて、活用に際してその語形変化に伴う意味の変化はない。その点、現在、過去等と、語形変化に伴って意味が変化する英語等の西欧語とは異なっていることになる。ただし、平安時代までの日本語では、動詞型活用の語には時間に伴って事態の変化する意味が含まれていた。平安時代末から動詞には時間に伴う意味がなくなり、時間にかかわる意味のない命令形だけがその語形独自の意味を残すということになる。平安時代まで時代をさかのぼってみたとき、活用のある語で、動詞、形容詞、形容動詞ではその活用の意味に異なりがある。動詞は動作・作用・存在等を表すが、活用は、時間に対応した形での意味の変化を表している。まだ現実化していない事態(未然形)、すでに現実化している事態(連用形)、基本となる事態、その基本ということから時間的には現在の事態(終止形)、目前の事態、ただし下に体言がくるという変化(連体形)、現実化した事態を前提にして、下に続ける(已然(いぜん)形)、相手への命令(命令形)という変化である。この語形変化は、動詞の表す事態が時間の推移とともに進展・変化することを、古く日本人が認識したことを示している。形容詞は「(し)く(連用形)」「し(終止形)」「(し)き(連体形)」の三つの活用形(他の活用形は、どれも動詞「あり」の熟合したもので、形容詞本来の活用形ではない)があるが、これには、その語の表す事態が、その置かれた場面でどのような様相を示すかという変化があり、時間にかかわる意味の変化は認められない。形容詞の表す状態の意味を時間とのかかわりで認識しなかったということになる。動作・作用・存在は時々刻々に変化するが、状態は、そのような変化は認めがたいということがあり、活用に、動詞と形容詞とで意味の差が出るのも当然ということになる。存在を「あり」という動詞でとらえ、不在を「なし」という形容詞でとらえたのも、存在は時間の推移につれて変化するが、不在は変化するはずもないから、とすると納得しやすい。形容動詞は語尾に動詞「あり」がついてできた語であり、その源から動詞の性格を有している。
 名詞、副詞は活用しない。動詞のように、時間の推移に伴って、その語の表す事態が変化するということもなく、形容詞のように、その場面によって様相の変わることもないことからいって当然といえる。名詞は、ある事物を他の事物から区別するためにつくられた語である。副詞は、名詞の表す事物、動詞・形容詞・形容動詞の表す動作・作用・状態等が、その場面のなかで他と、とくに異なる点のあるとき、それを述べるために使われる語である。その意味で、副詞は、これらの語に対して補助的な働きをする語ということになる。なお、現在は、ここでいう副詞はさらに細分化され、おもに用言を修飾する語(副詞)、体言を修飾する語(連体詞)、文と文、語句と語句をつなぐ働きをする語(接続詞)、感動・呼びかけ・応答を表す語(感動詞)と4類に分けられるのが一般である。これらの語が組み合わされて文ができあがる。
 文は、まとまった思想を表すために表現されたひと続きの、いくつかの語よりなるものをいう。一語だけでなる一語文もある。この場合、文と語が同じ形になるが、その場面に応じた表現者のなんらかの意図に基づいたものが文であり、語と対応する事柄を表すだけであって、実際に、ある場面で使用されたのではないのが語であるということに違いがある。西欧語では、文は大文字で始まるということで外形上も一つの単位とする意識がはっきり現れているが、日本語ではそれがはっきりしていない。本来は一つの文という意識は不明確であったと思える。
 日本語の文は、述語は不可欠であり、かつ文末という確固とした位置を占め、そこを動くことがない。他の語は、それを意味のうえで補って、表現をわかりやすいものとするという構造をもつ。述語のみが基本成分であり、他は補いの成分ということになる。「主語――述語――(他の成分)」という基本構造をもつ英語などの西欧語とは異なっている。この述語の位置にくることのできるのは、名詞、動詞、形容詞、形容動詞と、ある場合の副詞である。その意味で、名詞、動詞、形容詞、形容動詞の4類の語は、表現上も基本成分となりうるものである。ただ、名詞はそれだけでは文中の成分となりえず、助詞、助動詞などの語の補助を必要とする点で、前述の3類の語とは異なっている。述語にかかっていく他の成分は、助詞の補助を受ける。助詞という関係を表す語があるために、述語以外の成分は、文中のどこに置かれてもよい。文中の位置によって、いかなる成分かが決定される西欧語とは異なっている。ただし、日本語も古い時代にさかのぼると、名詞なども「が」「を」といった語を伴わず文の成分となっていた。述語という基本の成分に対して、意味の補いをつけるという形で表現がなされるため、ただ事柄を述べるだけでよいという意識に基づき、そのような表現が成り立っていたのである。しかし、現代語に近づくにしたがい、文を成り立たせる語と語との関係を意識する傾向が強まり、助詞をつける形式が確立してきている。[山口明穂]

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世界大百科事典内の文法の言及

【言語学】より

…しかし,どの言語も人間の言語である限り一定の共通性を有しているはずであり,したがって,個々の言語の研究が人間言語一般の本質解明に寄与するわけであり,また,他の言語の研究成果,とりわけ他の言語の研究で有効であることがわかった方法論が別の言語の研究においてもプラスになるわけである。 個別言語の構造の研究は,言語そのものの有する三つの側面に応じて,〈音韻論〉〈文法論〉〈意味論〉に分けてよい。
[音韻論]
 音韻論的研究は,その言語がどのような音をどのように用いてその音的側面を構成しているかを研究する。…

【生成文法】より

…1950年代中ごろにアメリカの言語学者N.チョムスキーが提唱し,以後,各国の多くの研究者の支持を集めている,文法の考え方。文法とは,〈その言語の(文法的に正しい文)をすべて,かつそれだけをつくり出す(しかも,各文の有する文法的な性質を示す構造を添えてつくり出す)ような仕組み[=規則の体系]〉であるとし,その構築を目標とする。…

【品詞】より

…文法用語の一つ。それぞれの言語における発話の規準となる単位,すなわち,文は,文法のレベルでは最終的に単語に分析しうる(逆にいえば,単語の列が文を形成する)。…

【ラテン語教育】より

…ラテン語が独自の理論的分析をうけるのは,4,5世紀,つまりいわゆる〈俗ラテン語〉の時代以降のことである。4世紀のドナトゥス,5~6世紀のプリスキアヌスをもって代表者とするが,ことに後者の《文法教程(文法提要)Institutiones grammaticae》全18巻は,文法理論の標準的な教則本として,後世に長く使用された。
[ヨーロッパ中世におけるラテン語の地位]
 ヨーロッパ中世では,ラテン語は唯一の公用普遍語であった。…

※「文法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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