改訂新版 世界大百科事典 「パレート法則」の意味・わかりやすい解説
パレート法則 (パレートほうそく)
Pareto's law
所得分布の型について最初に見いだされた経験法則。所得水準をy,y以上の所得を有する総人員数をNとし,A,pを定数とすれば,
N=Ay⁻p (A>0,p>1)
という関係が近似的に成立することを1897年にV.パレートは提唱した。この関係をパレート法則という。パラメーターpはパレート指数とよばれ,その値が小さいほど分布は不平等となる。後に発見されたジニ法則も完全平等の場合を除けばパレート法則と同等であることが知られている。パレート法則は低所得階層でうまくあてはまらない場合が多い。今日,パレート法則は高所得階層の分布が得られない場合その推定に利用されている。
→ジブラ法則 →所得分布
執筆者:高山 憲之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報