ヒエロン[1世](読み)ヒエロン

世界大百科事典 第2版の解説

ヒエロン[1世]【Hierōn I】

?‐前466
シチリア島シラクサの僭主。前485年,シラクサの僭主となった兄ゲロンGelōnに代わってゲラの僭主に任ぜられ,前478年,兄の死とともにその後を継いだ。前475年,アイトナ(カタネ)に植民してシチリア島における勢力を強化し,南イタリアにも干渉して,前474年にはキュメの海戦でエトルリア艦隊を撃破した。また彼の宮廷にはシモニデス,ピンダロスなど多数の詩人が滞在した。【清永 昭次】

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世界大百科事典内のヒエロン[1世]の言及

【シチリア[島]】より

…シチリアにおけるギリシア人の都市国家ではたび重なる諸地域からの植民による住民層の混在が進み,また,少数の有力貴族への土地所有の集中がみられたことから,貴族間の党争が繰り返された。さらに,北アフリカのカルタゴを筆頭とする外部勢力の脅威は僭主政の成立を促し,前5世紀前半のアクラガスにはテロンThērōn,シラクサにゲロンGelōn,ヒエロン1世らの僭主が出現した。彼らの指導下にあったギリシア人は,前480年のヒメラの戦でカルタゴ勢力を駆逐した。…

【シラクザ】より

…市域の拡大(ネアポリスの建設)をはじめ,前480年には宿敵カルタゴをヒメラに破り,ギリシア世界で最強の国家となる。彼を継いだ弟のヒエロン1世は文芸を擁護し,アイスキュロス,ピンダロス,シモニデスらの文人を招請した。前5世紀後半にほぼシチリア全島と南イタリアの一部を勢力下に収めたシラクサは,ギリシア世界の盟主アテナイと衝突するまでになり,その壮烈な戦いはトゥキュディデスの作品にみごとに描かれている。…

※「ヒエロン[1世]」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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