日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒラアジ」の意味・わかりやすい解説
ヒラアジ
ひらあじ
硬骨魚綱スズキ目アジ科のカイワリ属、ギンガメアジ属、クボアジ属、ホシカイワリ属などの海水魚の俗称。このアジ類は、体が平たくて体高が高くタイ形に近いのでヒラアジとよばれる。また、背びれや臀(しり)びれの後方に小離鰭(しょうりき)がないことや、稜鱗(りょうりん)(鋭い突起を備えた肥大した鱗(うろこ)。一般には「ぜんご」「ぜいご」ともいう)が側線後方の直走部にだけあることなどにより、ムロアジ属、オニアジ属、マアジ属などと大きく異なる。ヒラアジには、カイワリ、シマアジ、ロウニンアジ、ギンガメアジ、イトヒキアジ、マルヒラアジ、オキアジなど、美味な高級魚が含まれる。
他方、関西地方、北陸、長崎県などではカイワリのことをマルアジとよぶ。同様に、浜名湖ではギンガメアジのことを、熊本県ではシマアジのことを、和歌山県や大阪府の地方ではマアジの老成魚のことをマルアジとよぶ。
[鈴木 清・尼岡邦夫 2023年11月17日]