日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルガード」の意味・わかりやすい解説
ヒルガード
ひるがーど
Eugene Woldemar Hilgard
(1833―1916)
アメリカの土壌学者。ドイツのツワイブリュッケンに生まれ、1836年家族とともにアメリカに移住した。ハイデルベルク大学に学び、ミシシッピ大学で地質学、動植物学、化学の各分野を専攻し、のちにミシガン大学を経てカリフォルニア大学で農業研究に入った。ロシアのドクチャーエフと同時代に生き、その影響を受けた。土壌を気候および自然植生との関連のもとに究明したアメリカにおける開拓者で、湿潤型と乾燥型の土壌群大別を試み、とくにアルカリ土壌の研究を深めた。その成果は長くアメリカ土壌研究者の指導的指針とされ、後のマーバットにも大きな影響を与えた。主著に『A Report on the Relation of Soils and Climate』(土壌と気候の対応に関する研究、1892)がある。
[浅海重夫]