ファスケス(その他表記)fasces

翻訳|fasces

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファスケス」の意味・わかりやすい解説

ファスケス
fasces

古代ローマの政務官権威標章。「にれ」または「かば」の枝の束で斧を巻いたもの。王政期から用いられ,先導の官吏が運んだ。執政官 (コンスル ) は 12,独裁官 (ディクタトル ) は 24のファスケスをもち,執政官はローマ市内では武力の象徴である斧をはずした。凱旋将軍はこれに月桂樹の枝を加えた。帝政期にも用いられ,皇帝は最初 12,次いで 24のファスケス (月桂樹をつける) を用いた。この標章は 1919年からイタリアのファシスト党に採用された。

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世界大百科事典(旧版)内のファスケスの言及

【リクトル】より

…命令権をもつ公職者を先導し,職務執行の便宜を図る。コンスル(執政官)に12名,プラエトルに6名が定数で,斧の柄に棒を束ねたファスケスfascesを各自左肩に担い(民会では下ろす),命令権の峻厳を明示し,現実に逮捕,杖罰,斬首の命令を執行した。後に属州総督,ウェスタ女神の女祭司に,帝政期には元首の守護霊の祭祀役にも同行した。…

※「ファスケス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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