フィセチン

化学辞典 第2版 「フィセチン」の解説

フィセチン
フィセチン
fisetin

2-(3,4-dihydroxyphenyl)-3,7-dihydroxy-4H-1-benzopyran-4-one.C15H10O6(286.23).フラボノール類の一つ.西インド産のウルシ科Rhus cotinusやサイカチGleditsia japonica Miq.の心材に含まれる.黄色の針状晶.分解点348 ℃.λmax 248,319,362 nmエタノール酢酸エチルアセトンに可溶,エーテル,石油エーテル,ベンゼン,クロロホルムに微溶,冷水に不溶.エタノール溶液は種々の金属,希土類の蛍光定量に用いられる.LD50 180 mg/kg(マウス静注).[CAS 528-48-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィセチン」の意味・わかりやすい解説

フィセチン
fisetin

化学式 C15H10O6 。 3,3',4',7 -テトラヒドロキシフラボンに相当する。分解点 300℃の黄色針状晶。 3,3',4',7 -テトラヒドロキシフラバノンに相当するフスチンとともにハゼノキの材から見出された。エチルアルコール,アセトン,酢酸などに溶けるが,水,エーテル,その他の有機溶媒には難溶である。ウルシ属,コチヌス属の心材にはこの色素を多量に含むものがあり,古く黄色染料として利用された。 (→フラボノイド )

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