樹木は形成層の活動によってその内側に二次木部、すなわち木材が年々蓄積されていくが、長年にわたって蓄積した二次木部は、すべてが生きていて水分の通道をつかさどっているわけではなく、中心にある古い木部から外側に向かって順次死んでいく。この死んだ部分を心材、周辺の生きている部分を辺材(へんざい)、辺材が心材に移り変わる部分を移行材という。移行材の部分で組織が死ぬとき、つまり、心材が形成されていくときには、樹木の種類によって特徴的な、無色あるいは有色の物質が集積される。したがって、心材と辺材では多くの場合、色調差が生じることとなる(色調差の生じないものもある)。心材が示すおもな色調としては、黒(コクタン)、紫(ローズウッド)、赤(アカガシ、スギ)、黄(ツゲ)、緑(ホオノキ)などがある(括弧(かっこ)内は種名)。また、心材は辺材よりも堅いため、加工をする際にもゆがみが少なく、家具や装飾材として使われる。なお、菌類などがもたらす病害によって幹の中心部が有色となり心材のようにみえることがあるが、これは偽心材とよばれ、心材とは区別される。
[鈴木三男]
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…針葉樹では樹脂道や樹脂細胞を含んでいて,やにを出すものがある。 針葉樹,広葉樹を問わず,丸太の横断面で外周部の色の白っぽい部分を辺材(しらた),中心部の濃色の部分を心材(あかみ)と呼び,辺材は養分が多く腐りやすいが,心材には心材物質が形成されていて一般に腐りにくい。針葉樹の場合は立木の含水率は心材では40%前後だが,辺材では100~200%にも及ぶ。…
※「心材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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