ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランツ・ヨーゼフ2世」の意味・わかりやすい解説
フランツ・ヨーゼフ2世
フランツ・ヨーゼフにせい
Francis Joseph II, prince of Liechtenstein
[没]1989.11.13. スイス,グラープス
リヒテンシュタイン大公(在位 1938~89)。貧しかったリヒテンシュタインをヨーロッパ屈指の富裕国に成長させた。オーストリアのウィーン農林大学で森林工学を学び,1938年7月26日,大公となった。第2次世界大戦の間,挙国一致内閣を樹立して中立を保ち,1945年国内に身を寄せていたソビエト連邦難民約 500人の送還をソ連から要請されたが拒絶した。またスイスと協力してハイテク製品を生産し,強力な産業基盤を築いた。一族所有の銀行は租税回避先(→タックス・ヘイブン)として富裕層および外国企業推定 3~8万社に利用され,世界中の大都市に支店を置く。また国外に森林や不動産をもち,絵画 1400点などを所有した。1984年から後継者である子ハンス・アダム2世に統治権の大半を委譲した。
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