挙国一致内閣(読み)きょこくいっちないかく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

挙国一致内閣
きょこくいっちないかく

国家的危機状況 (戦争または経済的大不況など) において,ある一定期間,平素は対立している諸党派が危機打開のために一致してつくる内閣をいう。歴史的には,イギリスの 1930年の経済恐慌時のマクドナルド内閣や第2次世界大戦時のチャーチル内閣などがあり,近代日本史においては五・一五事件後の斎藤内閣挙国一致内閣と呼ばれた。

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百科事典マイペディアの解説

挙国一致内閣【きょこくいっちないかく】

政党内閣の危機に成立し反対党をも包含した内閣。五・一五事件後の斎藤実(まこと)内閣以降,第2次大戦前の全内閣は実質的に挙国一致内閣だが,特に斎藤,岡田啓介内閣をさし,中間内閣ともいう。外国では1931年,英国で成立したマクドナルド内閣が有名。→連立政権

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世界大百科事典 第2版の解説

きょこくいっちないかく【挙国一致内閣】

政党や社会勢力の複数競合を前提とする議会体制の下で,戦争や深刻な社会危機に際し主要政党の大半や有力社会集団の参加と支持を得て形成される内閣。危機における国民の一体感をつくりやすい反面,閣内統制手段の不足から期待したほど実行力の伴わない場合も多い。戦時を除き単一政党内閣の伝統が強かったイギリスで,世界大恐慌に対応するため,保守,自由両党と労働党から分離した国民労働党によって構成されるマクドナルド内閣が1931年に発足し,挙国内閣national governmentと呼ばれたのが有名。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

挙国一致内閣
きょこくいっちないかく
national coalition government

戦争や内乱あるいは経済大恐慌など、国に重大な危機状況が発生したような場合、挙国一致で事態の解決にあたるため、反対党をも加えて構成される内閣。国民政府ともいう。議院内閣制をとる国では、多数党が政権を担当し反対党との政権交替を前提とする政党内閣制による政治が常態である。しかし、非常事態、例外状態が発生したときには挙国一致内閣制をとる場合もある。この挙国一致内閣は、単独の政党だけでは多数を制しえず、他の一党あるいは複数の政党を加えて内閣を構成する連立内閣とは異なる。
 挙国一致内閣の例としては、イギリスにおける第一次世界大戦中のロイド・ジョージ内閣、世界大恐慌を乗り切るためにつくられた1931年のマクドナルド内閣、第二次大戦中のチャーチル内閣、フランスでは1958年のアルジェリア問題解決のために成立したドゴール内閣、日本では、五・一五事件後の1932年(昭和7)に成立した斎藤実(まこと)内閣以降、敗戦に至るまで続いた内閣、がある。[田中 浩]

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