ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハンス・アダム2世」の意味・わかりやすい解説
ハンス・アダム2世
ハンス・アダムにせい
Hans Adam II, prince of Liechtenstein
リヒテンシュタイン大公(在位 1989~ )。フルネーム Johannes Adam Pius Ferdinand Alois Josef Maria Marko d'Aviano von und zu Liechtenstein。大公フランツ・ヨーゼフ2世の長男として生まれ,幼い頃から家族ともども国民と接する日常生活を送った。地元の小学校に学び,その後オーストリアのウィーンとスイスで教育を受けた。ロンドンの銀行で短期間の研修を受けたのち,1965年スイスのザンクトガレン大学に入学,1969年卒業。皇太子として国の経済と財政の発展および対外関係に強い関心をいだいた。父は 1984年7月に統治権の大半を皇太子に譲る意思を表明し,8月26日にファドゥーツ城でその式典がとり行なわれた。1989年父の死去をうけて大公に即位。以前からヨーロッパ統合を信条とすると述べていたが,1991年,リヒテンシュタインはヨーロッパ連合 EUへの加盟を目指さないことを表明した。それでも,1990年国際連合,1991年ヨーロッパ自由貿易連合 EFTA,1995年ヨーロッパ経済領域 EEA,1995年世界貿易機関 WTOに加盟。父ヨーゼフ2世が築いた繁栄を維持した。2004年長男のアロイス皇太子に日常の公務を引き継いだ。
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