フリッシュ(Ragnar Anton Kittil Frisch)(読み)ふりっしゅ(英語表記)Ragnar Anton Kittil Frisch

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フリッシュ(Ragnar Anton Kittil Frisch)
ふりっしゅ
Ragnar Anton Kittil Frisch
(1895―1973)

ノルウェーの経済学者。オスロに生まれる。オスロ大学で学び、1931~71年オスロ大学経済学教授。同大学経済学研究所長を兼任したほか、エール大学(1930)、パリ大学(1933)客員教授なども歴任した。31年に創設された国際的な計量経済学会の創設者の1人で、33年創刊の同学会機関誌『エコノメトリカ』Econometricaの初代主任編集者(~1954)。今日では多くの人々に耳慣れたものになっている「計量経済学」の原名「エコノメトリックス」econometricsもフリッシュ造語である。フリッシュの学問上の主要業績としては、〔1〕比較的初期の、効用理論とその測定、および価格指数に関する研究、〔2〕マクロ・ダイナミックス・モデルの最初の定式化者の1人、〔3〕計量経済学の方法論上の諸問題の開拓、〔4〕第二次世界大戦後の、自国インド国際連合などの経済開発モデルや政策決定モデルの開発、などがあげられる。55年に第1回シュンペーター賞を、69年に第1回ノーベル経済学賞を受賞した。

[早坂 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例