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計量経済学 けいりょうけいざいがくeconometrics

翻訳|econometrics

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

計量経済学
けいりょうけいざいがく
econometrics

経済理論から導かれる仮説を数学モデルとして構成し,これを統計学的方法により実証しようとする学問で,いわば経済理論,数学,統計学の三位一体であるといわれる。 1930年代に R.フリッシュと J.ティンベルヘンが先鞭をつけ,フリッシュは原語「エコノメトリックス」の名づけ親であるとともに,その基礎的研究に没頭し,他方ティンベルヘンオランダ中央統計局長時代に本格的な短期予測モデルを開発するなど,その応用面に貢献した。

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デジタル大辞泉の解説

けいりょう‐けいざいがく〔ケイリヤウ‐〕【計量経済学】

数量的経済法則を検出するために、経済理論・数学・統計学の成果を総合的に適用する経済学の一分野。エコノメトリックス。

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百科事典マイペディアの解説

計量経済学【けいりょうけいざいがく】

エコノメトリックスeconometricsの訳。経済の理論的研究と実証的統計的研究とを結びつけて現状の分析と将来の予測を行う学問。経済現象を数学的なモデルで分析する数理経済学が現実にどれだけ合致するかを統計的手法を用いて実証する。
→関連項目フリッシュ

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世界大百科事典 第2版の解説

けいりょうけいざいがく【計量経済学 econometrics】

経済の諸関係式を量的に計測するために数学や統計学の手法を適用する経済学の一分野。近年は日本でもエコノメトリックス(R.フリッシュが命名)の語が使われることも多い。およそ経済学で扱う概念は,個別商品の需要や供給や価格にしても,社会全体の所得や消費や投資にしても,すべて数量的に規定され計測可能なものである。しかし,国民所得や消費や投資や物価指数などを計測して統計資料を作ること自体は,計量経済学の基礎資料としては不可欠なものであるが,それだけでは計量経済学とはいわれない。

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大辞林 第三版の解説

けいりょうけいざいがく【計量経済学】

経済数量の間に理論的に想定される関係式を、実際の統計データによって統計学的に検証する学問。また、その計算結果を用いて将来の予測や経済政策の効果の分析を行う学問。エコノメトリックス。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

計量経済学
けいりょうけいざいがく
econometrics

経済理論と現実経済の間にあって、経済現象の背後にある経済諸要素間の因果関係を数量モデルとして把握し、実際の経済データに基づいてその具体的な構造を推定し、それによって現実経済の分析や予測を行い、経営計画経済政策の立案に資するほか、経済理論のいっそうの発展を促すことを目的とする近代経済学の一分野である。[高島 忠]

経済理論との関係

計量経済学は、現実の経済の動きの背後にある経済的因果関係を数量モデルとして表現するものであるから、それが予測や分析目的に十分に機能するためには、これまでに確立された経済理論に立脚してモデルの設定が行われなければならない。一方、経済現象は人間行動の経済的側面を表すものであるから、自然現象とは異なり、その法則性も歴史とともに変化する性格をもつ。したがって、確立された経済理論も絶えず現実経済との対照のうちに修正され、新理論の形成が行われなければならない。そのためには、確立された経済理論やまだ仮説の段階にある新理論を、現実経済の動きを観測して得られる経済統計資料に基づいて、その有効性を検証することが必要となる。その役割を果たすものが計量経済学であり、その意味では、経済学全体系のなかで要(かなめ)に位置する学問分野といいうる。[高島 忠]

歴史

アダム・スミス以来、新古典派の理論を経て、経済学はその理論的内容を豊かにしていったが、その定性的純粋理論の内容に、現実経済の観測に基づいて定量的意味づけを与え、あるいはそれを統計的に検証しようとする仕事が1910年代からおこった。当初は、特定財に関する需要弾力性や需要関数、供給関数などの統計的計測という分野で、H・L・ムーア、H・シュルツ、R・A・K・フリッシュらによって計量経済学的研究が開始されたが、やがて理論経済学の成果と推測統計学の手法を結合して経済理論に数量的内容を与えることを目的として、1930年にJ・A・シュンペーター、I・フィッシャーらによってアメリカに計量経済学会が設立された。その後は、とくに計量経済学の方法論の統計的推定法の研究に力が注がれ、T・C・クープマンス、T・ホーベルモ、W・C・フード、J・マルシャックらをメンバーとするアメリカの研究グループ、コールズ・コミッションCowles Commissionを中心として、その方法論的基礎はいちおうの確立をみるに至った。[高島 忠]

研究手続

計量経済学の研究は、次の手続に従って行われる。まず、(1)これまでの経済理論の成果に立脚しながら、計測の対象とする経済現象をその背景にある経済諸要素間の因果関係としてとらえ、それを確率的変動要素をも考慮した数量モデルとして表現し(モデルの構築)、(2)各経済要素について、現実経済を観測して得られたデータを用いて、その数量モデルに具体的な数量的表現を与えるパラメーターを推定し(構造方程式の推定)、(3)推測統計学(数理統計学)の成果を応用して、当初に設定したモデルの妥当性を統計的に検証する(仮説検定)。その結果によっては、(4)モデルを修正し、あるいは新たな経済理論の導入によってモデルの再構築を行ったうえで、(2)以降の手続を、経済理論上および統計理論上、満足すべき構造方程式が得られるまで繰り返す(構造方程式の確定)。これによって、現実経済の変動メカニズムが具体的、数量的表現をもつ計量経済モデルとして把握されたことになるから、(5)そのモデル(構造方程式体系)に基づいて経済変動の分析、将来予測、計画策定などの作業が行われることになる。[高島 忠]

モデルの形態

このような計量経済学的研究は、構築されるモデルの形態から二つに大別される。一つは単一方程式モデルであって、これは経済のある特定部分の変動メカニズムをそれ以外の部分から切り離して研究しようとする際に用いられる。たとえば、ある特定財についての生産関数の推定や需要予測などを行うのに用いられることが多く、一般に経済理論のなかでは部分均衡分析に対応する研究方法である。これに対して、経済理論における一般均衡分析に対応するものは、連立方程式モデルによる計量経済学研究である。本来、どのような経済現象も、一般に全経済体系のなかで各経済要素が相互依存の関係をもちながら発生するものであり、連立方程式モデルはそのような相互依存の因果関係を明示的に表現するものである。ここにおいては、特定の経済要素の動きも経済全体の相互依存のなかで数量的に把握されることになる。[高島 忠]

推定方法

モデルとして設定された関係式について、その具体的な数量的表現としての構造方程式を得るには種々の推定方法がある。推定方法の問題の核心は、経済変数に関する所与のデータから、できる限り真の値に近接した値としてパラメーターを推定することにあり、したがって、所与のモデルに対応してもっとも望ましい統計的性質をもったパラメーター推定量をみいだすことにある。単一方程式モデルの推定には一般に最小二乗法が用いられるが、これを連立体系に適用すれば偏りのある推定値となる。その欠点を回避するため、二段階最小二乗法や最尤(さいゆう)法などいくつかの手法が考え出されている。[高島 忠]
『福地崇生著『計量経済学入門』(1963・東洋経済新報社) ▽A・S・ゴールドバーガー著、福地崇生・森口親司訳『計量経済学の理論』(1972・東洋経済新報社) ▽J・ジョンストン著、竹内啓他訳『計量経済学の方法』全訂版全2巻(1976・東洋経済新報社) ▽辻村江太郎著『計量経済学』(2008・岩波書店) ▽宮川公男著『計量経済学入門』(日経文庫)』

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世界大百科事典内の計量経済学の言及

【ホーベルモ】より

…経済学の理論と実証の両分野にわたる多彩な研究業績をあげている。とりわけ,経済行動の相互依存性とその確率的な関係を,経済理論と近代統計学にもとづいて測定することを中心とした計量経済学の方法論を,一般性をもつ理論として体系化し,今日の計量経済学の理論的基礎を与えた。この貢献は,経済学説史の上からも特記すべきことであった。…

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