官吏養成を目的として設立されたノルウェー最古にして最大の大学。デンマーク=ノルウェーの同君連合国家であった当時,ノルウェーの分離独立の機運の高まりを恐れた王フレゼリク6世が反対していたため,構想が持ち上がりながらも長らく実現には至らなかった。1811年にようやく大学設立に関する勅許を受け,1813年に開学に至った。当初は,高度人材養成を主たる機能としていたが,1870年代以降は研究にも力が入れられるようになった。設立以来,王立フレゼリク大学(ノルウェー)という名称が用いられていたが,1939年に現在の名称に変更された。1946年にベルゲン大学が設立されるまでノルウェー唯一の総合大学であった。2015年現在,8学部(医学部,歯学部,法学部,神学部,人文学部,数理学部,社会科学部,教育学部)に約3万人の学生が学ぶ。
著者: 渡邊あや
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
ノルウェーの首都オスロにある大学。デンマーク領(1397~1814)から独立を求めるノルウェー人の要望にこたえて、デンマーク・ノルウェー王フレゼリク(フレデリク)6世により1811年に設立され、同国でもっとも古い。大学は国費により運営され、授業料は無償。1990年に制定された大学法により、大学の管理運営(大学評議会)には教員、事務職員、学生の三者が参加している。1999年現在、8学部(神学、法学、医学、人文学、歯学、社会科学、数学・自然科学、教育学)からなる。教員数約1700人、学生数約3万4000人。付設ノルウェー民俗研究所の北欧民話研究は広く知られる。大学図書館、博物館も充実している。
[馬越 徹]
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