ブール(Hermann Buhl)(読み)ぶーる(英語表記)Hermann Buhl

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブール(Hermann Buhl)
ぶーる
Hermann Buhl
(1924―1957)

オーストリアの登山家。インスブルックに生まれ、少年時代からチロールドロミーティなどで登山を行い、1948年フライシュバンクの南東壁、49年エギュイーユ・ブランシュ・ドプトレイ北壁、50年マルモラータ南西壁冬季、52年ピッツバデイレ北東壁などヨーロッパ・アルプスの困難なルートを多くの場合単独登攀(とうはん)した。53年ヘルリヒコファーの率いる登山隊に参加、ナンガ・パルバトに単独で初登頂、57年カラコルムのブロードピークに4人の隊で初登頂に成功した。その帰りにチョゴリザ雪庇(せっぴ)を踏み抜き遭難死。自伝的記録の『八千米(メートル)の上と下』があり、孤高で激しい登攀の精神は後の登山者に多くの影響を与えた。

[徳久球雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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