プライス勧告(読み)ぷらいすかんこく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「プライス勧告」の意味・わかりやすい解説

プライス勧告
ぷらいすかんこく

1956年(昭和31)6月アメリカ下院軍事委員会が出した沖縄の軍用地問題に関する報告書。1955年10月同委員会はM・プライス議員を長とする調査団を沖縄に送り、その調査結果をもとにこの報告書をつくった。その内容は沖縄県民期待に反し、現地民政府の政策を全面的に肯定し、地代の一括払い、土地買い上げの必要を勧告したものであった。これに対して県民は怒りを爆発させ「島ぐるみ運動」で基地化反対闘争を行った。

伊藤 悟]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のプライス勧告の言及

【沖縄[県]】より

…1951年4月,沖縄社会大衆党(社大党,1950年10月結党),沖縄人民党(人民党,1947年7月結党)を中心に〈日本復帰促進期成会〉が初の超党派的復帰運動体として結成された。50年代の沖縄の民衆運動は軍用地問題をめぐる島ぐるみ闘争に象徴されるが,その爆発的契機となったのは,56年6月のプライス勧告である。アメリカ軍の土地強制接収に対抗するため,琉球立法院は(1)一括払い反対,(2)適正補償,(3)損害賠償,(4)新規収集反対の四原則を決議していたが,勧告はこれを否定するものであった。…

※「プライス勧告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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