プリーシビン(英語表記)Mikhail Mikhailovich Prishvin

改訂新版 世界大百科事典 「プリーシビン」の意味・わかりやすい解説

プリーシビン
Mikhail Mikhailovich Prishvin
生没年:1873-1954

ロシア・ソ連邦の作家。中央ロシアのオリョール県出身。ドイツのライプチヒ大学農学を学び,はじめ農業技師であったが,カレリアラップランド民俗や自然を活写した紀行文《恐れを知らぬ鳥の国で》(1907)で高い評価をうけ,文筆活動に入った。無類の自然観察者で,〈ロシアの自然の歌い手〉として知られる。彼の生涯のテーマは,〈自然の中に,人間の心のすばらしい面を求め,発見すること〉〈自然のさまざまな姿に人間の心を見ること〉であった。《鶴の里》(1929),《自然の暦》(1935),《ファツェリア》(1940),《大地の目》(1957)を読めば,プリーシビンが,自然との合一をよびかける思想家で詩人であったことがよくわかる。彼はまた大旅行家であった。北部ロシア,中央アジア,沿海州,ウラル,カフカス,ボルガ地方をしばしば旅行して,各地の自然や民俗や民衆ことばに精通し,《朝鮮人参》(1932),《カフカス物語》(1939)などを著した。子どものために書いた《うぐいす》(1943),《太陽の倉》(1945)などは,今なお広く愛読されている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のプリーシビンの言及

【児童文学】より

…民話への指向はマブリナT.Mavrinaにもうけつがれている。自然を扱う作家にはM.M.プリーシビン,V.V.ビアンキがおり,幼年ものではミハルコフS.V.Mikhalkovがすぐれ,ノンフィクションのM.イリインは国際的に評価された。
[フランス]
 ペローの古典を幕開けとして,歴史は長いが実質がふるわないのは,この国の教育が子ども時代の固有な点を受け入れないせいであろうか。…

※「プリーシビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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