ヘリクタイト(その他表記)helictite

岩石学辞典 「ヘリクタイト」の解説

ヘリクタイト

方解石アラゴナイトなど様々な鉱物が,不規則に曲った鍾乳石に似た成長をして,洞穴の壁や天井に堆積したもの[Huff : 1940].鍾乳石などとは異なり,天井から滴り落ちる水によって生じたものではなく,壁面や鍾乳石の表面にわずかに凝結した水分からの石灰分の沈澱を繰り返しながら生じたものといわれる.その結果,鉛直方向に伸びないで水平または斜に伸びて,分岐するものもある[木村ほか : 1973].ギリシャ語のhelixは螺旋形,渦巻きの意味.

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘリクタイトの言及

【鍾乳洞】より

…洞の天井からつらら状に垂れ下がる鍾乳管や鍾乳石,その直下の洞床に筍状に生長する石筍(せきじゆん)stalagmite,この両者が連結した石灰華柱(石柱ともいう),内傾した洞壁から幕状に垂れ下がる石灰幕limestone curtain,外傾した洞壁に滝状にかかる流華石の一種である石灰華滝,傾斜地を流れ下る水流によってつくられた畦石プールが何段にも鱗状に並んだ石灰華段丘travertine terraceなど変化に富んでいる。また,水滴の落下する池の中につくられる洞穴真珠,天井や洞壁から浸透水によって生長した曲がりくねったヘリクタイト,水面に浮かんだ浮遊カルサイトなどの興味深い生成物の見られるところもある。こうした特異な石灰華の生成物が,各地の観光洞でおもな観光対象となっているが,いずれも学術的に貴重なものである。…

※「ヘリクタイト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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