アラゴナイト(その他表記)aragonite

関連語 霰石

改訂新版 世界大百科事典 「アラゴナイト」の意味・わかりやすい解説

アラゴナイト
aragonite

アラレ(霰)石ともいう。化学成分はCaCO3方解石と多形をなす鉱物。海水からの直接沈殿物,温泉のまわりや石灰岩洞窟中,火山岩の晶洞鉱床の酸化帯,地表近くの堆積物中に,また変成岩中にも産する。斜方晶系,単結晶はまれで,柱状ないし針状,双晶の結果,偽六方の外形をよく示す。種々の集合体をなす。モース硬度3.5~4,比重2.947,へき開は{010}に明瞭,無色ないし白色,しばしば各種の色調を示す。貝殻真珠サンゴなどの主要な構成鉱物である。これらの化石は長い地質時代の間に方解石に転移している。アラゴナイトはスペインの古王国名アラゴンAragonにちなんで,その地方産の鉱物名として命名。またアラレ石はおそらく粒状の結晶をなすので,〈あられ〉の名が付けられて呼ばれるようになったのであろう。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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